Secret Rose
退院後、初めての登校日。
なんだか入学式のような、不安と興奮を感じた。
なぜかいつもより早く目覚めてしまい、朝からシャワーを浴びてみた。それでも時間はまだ余裕がある。
昨日の残りの味噌汁を温めながら、昨日の残りのご飯をよそい、少し質の落ちた白米の甘い匂いを嗅いだ。窓の外を覗くと庭には、陽の光を浴び白く光る宿り木が氷点下の風を感じ、凛としている。
しばらくぼーっと見ていると、徐々に窓が白く曇っていった。
味噌汁をよそい食卓に着くと、母が起きてきて、台所のコーヒーサイフォンのスイッチを入れた。ほろ苦い香りが7時を知らせたのもつかの間、母は勢いよく窓を開け庭に出て、木花に水をやり始めた。
身震いするほど冷たい風が、部屋の中に入ってくる。
「ちょっと、かーさん!!何で閉めへんねん!!」
「あんただけ暖かいのなんか許さん」
蛇口を閉めながら母がいった。
今度は宿り木の枝をパチパチと切っている。
茜は袖に手を隠し、窓を閉めた。
テレビには天気予報が流れている。今日は本州を今年一番の寒気が襲うらしい。
なんだか入学式のような、不安と興奮を感じた。
なぜかいつもより早く目覚めてしまい、朝からシャワーを浴びてみた。それでも時間はまだ余裕がある。
昨日の残りの味噌汁を温めながら、昨日の残りのご飯をよそい、少し質の落ちた白米の甘い匂いを嗅いだ。窓の外を覗くと庭には、陽の光を浴び白く光る宿り木が氷点下の風を感じ、凛としている。
しばらくぼーっと見ていると、徐々に窓が白く曇っていった。
味噌汁をよそい食卓に着くと、母が起きてきて、台所のコーヒーサイフォンのスイッチを入れた。ほろ苦い香りが7時を知らせたのもつかの間、母は勢いよく窓を開け庭に出て、木花に水をやり始めた。
身震いするほど冷たい風が、部屋の中に入ってくる。
「ちょっと、かーさん!!何で閉めへんねん!!」
「あんただけ暖かいのなんか許さん」
蛇口を閉めながら母がいった。
今度は宿り木の枝をパチパチと切っている。
茜は袖に手を隠し、窓を閉めた。
テレビには天気予報が流れている。今日は本州を今年一番の寒気が襲うらしい。