Secret Rose
数学の授業中、全く意味わからなくて、関係ないことばっかり考えていた。
気がついたら 朝いけた花ばっかりみてボーっとしていた。
先生に指されても気づかなくて、『寝てて聞いてへんより 起きてて聞いてへん方がよっぽど タチ悪い』と怒られ、仲の良い友達には笑われた。
それを担任にチクられて 放課後に職員室呼び出されて怒られ、担任にも笑われた。

でも、怒られたっていうか、やっぱり馬鹿にされた感じで、一緒になってケタケタ笑っていた。
すると、急に担任が何かを思い出したように 顔色を変えて焦りだした。

「あ!わろてる場合ちゃうわ、今日学校の施錠せなあかんねん!」

「そうなん? まぁ、頑張りや~。」

「茜もとっととカバン取って帰り。」

「はいはい、」

「返事は1回」

「はーい」

「教室閉めるぞ!」

「待ってや・・・。」

「はよ取ってこい!」

「“取ってこい”ってことは また職員室こなあかんのー?」

「あげ足とんなや!行け!GO!!」

「ほな先生また明日」

「気をつけて帰りなさい」

「はいっ!へへっ。ばいば~い」

「ほなな」


朝、花をいけていたときもしゃべれたけど、帰る前にもしゃべれた。
心の中でくらい 自分に正直になるのもいいかもしれない。
他の人に聞こえるわけじゃないので、この恋心を誰かに知られるわけでもない。
このとき初めて気づいたが、いつのまにか担任は、私のことを呼び捨てにしていた。
少し、嬉しかった・・・。
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