Secret Rose
それから教室に行き カバンを取って帰ろうとした。

♪~♪~♪~

携帯が鳴った。
誰かと思ったら 裕吾(ゆうご)からの着信。
裕吾というのは前の彼氏だ。

「もしもし?ゆうちん?」

別に彼氏だったから“ゆうちん”と呼んでいるわけではない。ただの冗談。
私の機嫌がいいときは、みんなのことを、普段とは違う呼び方で呼んでみたりする。

『“ゆうちん”やめろや。』

やめろといいながら、祐吾も笑っている。

「なに?」

『飯でも食いに行かへん?もしかしてもう食うた?』

「いや、まだやけど。まだ家帰ってないねんやんか。」

『遊んでんの?』

「ううん、今学校出たとこ。」

『ほな、いっぺん家帰って、準備できたら連絡して。』

「あたし行くやかいうてへんやんけ。」

『茜 口悪い!行かへんの?』

「行く。」

『ほなまた連絡ちょーだい、ほなな』

「ほーい」
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