歪んだ愛しさ故に
人と深く関わることが苦手なあたしに、こうやって気さくに話しかけてくる人は少なくて……
「え!やりたい!!合コン開いて!」
目の前で、女子トークならではの会話に花を咲かせている同期。
どうやら合コンの話題らしい。
「いいよー。じゃあ、あたしの男友達にも数人集めるように言っておくから。
うちらはあと……」
そう言ったとき、ばちっと目が合ってしまった。
「あ……豊田さんは……合コンとか、どう……?」
「興味ない」
「だよねぇ」
分かり切っていた答えに、苦笑交じりで頷く彼女。
あくまでも、社交辞令として誘ったのは、あたしにだって分かった。
基本、これがあたしへの態度が普通。
自分からも人とは一線を引いてるし
周りからも必要以上には声をかけてこない。
これがあたし……
豊田琴音だ。