歪んだ愛しさ故に
「何その疑わしげな顔」
「信じられないんで」
「何が?」
「あなたの笑顔がです」
「ひでぇな、それ」
そう言って、再び笑った。
「でも昨日のは、結構本気で惚れ直したけど」
「え?」
突然の振り。
昨日のあたしに、いったい何を惚れ直したというのだろうか……。
「仕事ぶり。
ミーティングの意見もそうだったし、夜一人で残ってる姿も。
真面目に取り繕ってんのって、偽りのお前だから、いい加減にして帰るのかと思った」
確かに、真面目ちゃんは演じている自分だ。
だけど……
「仕事は仕事。
手を抜くつもりも、いい加減にするつもりもありません」
「へー……」
「あたしが手を抜くのは……
恋愛だけです」
その言葉を聞いて、
感心した顔が一気に驚きの表情へと変わった。