歪んだ愛しさ故に
 
「何勝手に誘われてんだよ」

「いたっ……」


ピンと弾き飛ばされたおでこ。

呼んでいたはずのエレベーターはとっくに閉まっていて、上沢さんはもう一度ボタンを押した。


「あたしが悪いわけじゃないですよ」
「ムカつく」
「だからっ……」


再び体が引っ張られ、
下りたはずのエレベーターにもう一度乗り込まされた。

閉まったと当時に、唇を塞がれていて、
壁に押し付けられたまま手首を捕えられてる。


「お前は俺のもんなんだけど」

「……」


いつからか勝手に決められた、所有物扱い。


あたしは誰のものになったつもりもない。
付き合うのだって、ただの暇つぶしの対象になっただけ。



「あたしはあたしのものだし」

「違う。俺のもの」

「ちょっ……」



たくし上げられたスカート。

オフィスビルのエレベーターだと言うのに、この人の愛撫が襲いかかってきた。
 
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