歪んだ愛しさ故に
苦しそうだけど優しくて…
優しい微笑みだけど苦痛にゆがんでて……
ああ、この人をこんなふうに振り回せる人が、この世界にいたんだ……。
そう思うと、なぜかあたしの胸が苦しくなった。
「散々傷つけて、失ってから気づいたんだけどな。
だから報われずに終わったけど……」
「……」
ははっ、と乾いた笑いも漏らす。
だけどあたしにとっては笑えない。
「あの時は気づかなかった……。
あいつがどんなに歪んだ顔をしたって、それが俺の快感になってた最低男だったから……。
でも今はなんか……
すげぇムカつく」
「え―――っ」
言葉の真意がつかめないまま
あたしの唇にキスが落ちてくる。
目を閉じることも忘れ
ただじっと彼の顔を見つめていた。