歪んだ愛しさ故に
 
足を踏み出し
目の前でじっとあたしを見据える彼のもとへ行った。

きゅっとコートを掴み、
恐ろしいくらい冷たい瞳をした彼を見上げる。




「……壊してください。

 今のあたしは……貴方のものです」


「……」




絡み合う視線。

はしる沈黙。



あたしの腕が、グイと引かれた。
 
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