歪んだ愛しさ故に
 
「壊すほどめちゃくちゃにするつもりだったのに、そんな顔されたら優しくしちまうじゃん」

「……」


人が気づかないふりをしているのに
相手はズケズケと踏み込んできて……。



「……じゃあ、あたしが壊してあげる」

「…っ」



ぐるりと視界を反転させて
上沢さんの上に馬乗りになった。



「ねえ」

「……ん?」



あたしを照らす、窓からの月明かり。

合間を縫って、上沢さんの顔も照らしている。



「さっきの男が……

 あたしの人生狂わせた人なの」



言いたくもないことを、ペラペラと話す。


狂ってる。
あたしはきっと……。


歪んでる。
自分の気持ちを認めたくなくて……。
 
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