歪んだ愛しさ故に
 
さっきまで寝ていたベッドは
まだほんのりと温かくて、
一瞬で冷えてしまった体が、ゆっくりと体温を取り戻していくようだった。


だけど心だけは
頭の中で整理されていくたび冷えていって……。



(あの時は気づかなかった……。
 あいつがどんなに歪んだ顔をしたって、それが俺の快感になってた最低男だったから……。

 でも今はなんか……

 すげぇムカつく)


あの時漏らした上沢さんの言葉の意味が、ようやく分かってきて……。


時が彼を大人に変えて……。
過去の自分に腹が立ったんだ。


そして……


もう一度、彼女への気持ちを再確認して
想いを伝えに行く……。
 
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