歪んだ愛しさ故に
 
そっと布団の中に潜り込んできた上沢さんの体は
ビックリするくらい冷たくなっていて、
一瞬体が反応しそうになったけど、必死に堪えて寝たふりを続けた。


あとから思えば、
こんだけ冷たい体が侵入してきたら
本当に寝ていた場合、逆に起きていただろう。


だけどそんなことに彼も気づかなくて
涙を流したあたしを、優しく包み込むように抱きしめた。



「……こんなつもり、なかったんだけどな……」




頭の上から漏らされた
上沢さんの心の声。


きっとそれは、
今頃になって、過去の彼女にもう一度想いを伝えることになるなんて……
ということで……。



「……」



彼の胸元に顔をうずめたあたしは
気づかれないよう、もう一度涙を流した。





あたし……


……上沢さんを好きになってる。



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