歪んだ愛しさ故に
「どっか行くか」
「え?」
結局、もう一度抱かれてしまい、
ベッドでゴロゴロと過ごす中、突然の提案。
今度こそ、帰ろうと思っていたからその発言には驚いた。
「どこかって?」
「……デート?」
「は?」
あまりにも似つかわしくない言葉に、思わず可愛くない返事。
その返しに、拓の眉間にも皺がよった。
「何その返し。嬉しくねぇの?」
「え、いや……嬉しいか嬉しくないかって言われたら……」
嬉しいけど……
「よく分からない」
「おいっ……」
本当の想いは、まだまだ言ってやらない。
あたしが拓に惚れてるなんて知られたら、きっと飽きて捨てられてしまうから。
「でもいきなりどうしたんですか?」
「………過ちを二度と繰り返さないため、かな」
「なんですかそれ」
「秘密」
意味深な言葉。
その真意がすごく気になったけど、結局拓は答えてくれなかった。