歪んだ愛しさ故に
 
「琴音のはどう?」
「うん、まあ……おいしいですよ」


日も沈み始めたころ、そういえばまともに食事をしていないと気づいたあたしたちは
少し早めの夕ご飯を一緒に食べていた。

入ったお店は、いたって普通のイタリアン。

時間も少し早いこともあり、まだ店内はガラガラで窓際の一番イイ席に通された。


あたしが頬張るのは
半熟卵が乗った、ボロネーゼ。


カルボナーラの半熟卵乗せもおいしいけど、ボロネーゼに乗っているのも珍しく、そしてそれは結構おいしかった。

 
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