歪んだ愛しさ故に
 
「ねえ。限りなく、バカップルに近い気がするんですけど」


さっきから、やっていることが、見ていて恥ずかしいことばかりな気がして……。

今になって改めて思い、突っ込まずにはいられなかった。


それなのに拓は微笑を浮かべるだけで、


「わざとやってるから」


とまで言ってしまう始末。


「わざとって……」
「今までの俺になかったもの」
「え?」
「さーて、早く食って、観覧車乗ろうぜ」
「ちょっと……」


結局また濁されてしまう質問。


どうして今になって、拓がそんなことをしているのか、全然見当もつかなくて
そんな行動にあたしの心はどんどんと掴まれていくだけ……。



こんなことされ続けたら……

いつか想いが爆発しちゃいそうだよ……。
 
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