歪んだ愛しさ故に
「すげぇ……殺してやりてぇ……。
琴音をこんだけ傷つけて……」
悲痛にまみれた顔。
その言葉は、ただ健太にたいしてだけじゃないような気がするのは、気のせいだろうか……。
だけどその真意には気づかないふりをして
ずっと強張っていた顔を無理やり緩めた。
「何それ……。
また、自分のモノに手を出された独占欲?」
苦笑交じりの、無理やりな笑顔。
だって自分の言葉に、ひどく傷ついているから……。
決して、「好き」とか「愛」というものから無縁の関係。
ただこの人は、人一倍に嫉妬や独占欲が強く
気に入った玩具に手を出されたことへの怒り。
拓はその言葉に目を細めると、ドサッとあたしをその場で押し倒した。
「そう。
お前は俺にとって、大事な……大切な女だから」
「え―――――」
その言葉の真意を確かめることは許されず
聞き返そうとした唇は、拓の唇によって塞がれた。