歪んだ愛しさ故に
 
床でされたその行為は、
健太の時とは違って、拓のコートを下敷きにしているせいか冷たさの感触もなくて……


エアコンが効いているせいからなのか
それとも拓からにじみ出る熱のせいからなのか……


ガタガタと震える寒さなんかどこにもなく
汗ばむほどの熱さがあたしの体を取り巻いた。


「た、くっ……
 もうっ……」

「いいよ。イケば?
 でも俺はやめないけど」

「や、だっ……ぁあっ……」


嫉妬にまみれた拓の行為は、とどまることを知らなかった。



気づけば床の上から、やわらかいベッドへと移動していて
だけど拓があたしを抱く行為が止まることはない。

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