歪んだ愛しさ故に
 
「健太…さんのことですか」
「そう。……最近、ちょっとあいつ、様子がおかしくてさ」


さっきまでハイだったテンションは、いつのまにかしおれた花のようにしょんぼりとして、彼氏のことを話す玲子さん。

その姿は、見ているこっちがいたたまれなくなり、次の言葉を聞き出すのにためらわれた。


「アイツ、ほかに好きな人でもできたのかなぁ……」


そう漏らす玲子さんの言葉は、今にも泣きだしそうな声だった。


「……どうして…そう思うんですか?」

「んー…なんだろうなぁ……。
 最近話してても、上の空のことが多くて……。
 あと、夜とか全然連絡がつかない日とかあってさ」

「……」


その行為に、身に覚えがありすぎて、どう反応したらいいのか分からなかった。
 
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