歪んだ愛しさ故に
 
「琴音と健太は、知り合いだったの?」


一瞬、本当のことを言おうか悩んだ。
だけど玲子さんの顔を見ていたら、全てをちゃんと知りたい、といった顔をしていたので、包み隠さず話してしまおうと思った。


「はい……。
 あいつ……健太は、昔あたしの親友と付き合ってたんです。
 3人でそれなりに仲が良かったけど、ある日突然、健太があたしを襲ったんです」


それから、茜にバレたこと。
茜には、あたしが誘ったと嘘をついたこと。
茜が信じたのは、健太だったこと。
それから女友達から孤立していったこと。


全てをさらけ出した。


玲子さんは、時折頷きながらも、最後まで話を聞いてくれた。
 
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