歪んだ愛しさ故に
「……」
18時になって、指定された会議室へ入った。
だけどすでに先に入っていた人が視界に入った時、思わず顔に出てしまいそうになった。
「こっち座ったら?」
そう言って、あたしを促したのは
今最も避けたい上沢拓。
にこりと微笑んで、自分の隣を指定する。
その席だけは絶対に座りたくない。
そう思っているのに、あたしを押し出すようにプロジェクトメンバーが会議室に入って来て、
自然と奥から座らざる得ないあたしは、上沢さんの隣へと座ることになった。
「では、始めます」
プロジェクトメンバーは4人。
少人数用の会議室であったので、4人席ということもあり、当然のように狭い。
プロジェクトの案を出したであろう木村さんが指揮をとり、ざっとプロジェクトの説明が始まった。