歪んだ愛しさ故に
案の定、彼女の隣には
あの日、俺の目の前から彼女を堂々と奪った男の姿があって……。
あれから6年という月日が経っていたけど
彼女の隣にいる男が、あの男でよかったと、心の底から思えた。
俺の姿を捕えた葵は
一瞬にして怯える瞳に変わって……
それと同時に、男がいつでも俺に掴みかかれる態勢となった。
殴られてもいい。
男にも……
女にも……。
ただ一言言わせてくれ……。
「すまなかったっ……」