歪んだ愛しさ故に
 
女なんかくだらなくて
女なんか単純で、

「中身が大事だよ」

なんて口で言いながら、

結局はちょっとでも外見がいい男がよれば、ころっといく。



そんな生き物だってことは
俺が15の年を迎えるころには気づいていて

幸いにも生まれ持ったこの容姿を活かして
散々好き勝手やってきた。



だけど身近なところで面倒なことを起こしたくはないから
自分が通う学校では偽りの自分を演じる。


優しくて
爽やかで
面白くて……

完璧な男。


誰しもがそんな俺に幻想を抱き
気づけば高校の王子的な存在になっていて……


外では散々、素の自分で女と遊んできてたけど
高校3年になったあの日、
一人の女が入学して……



俺の人生は、少しだけ変わった。
 
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