歪んだ愛しさ故に
彼女は、入学当初から噂になるくらいの美少女で
他の子と同じように見えて、どことなく冷めていた。
一度あの女を自分の腕の中で組み敷いてみたい。
なんて日々思いながら
だけど高校生活で面倒なことは起こすつもりはなかったから
特別何かをしかけることはなかった。
だけど転機は突然現れるもので……。
ある雨の日。
俺は彼女と話すきっかけができた。
「あの……
駅まででしたら……入っていきますか?」
確かに最初声をかけたのは俺だけど……
そんなふうに俺を誘った彼女に、
少なからず幻滅した自分がいたのは確かだった。
ああ。
こいつも所詮、
下心のある女だったのか……。