歪んだ愛しさ故に
 
あまりにも最低な発言に怒りをおぼえ、キッと睨みながら彼へと振り返った。


「そうそう。その顔。
 その顔を歪ませるのが好き」

「……」


ああ、こいつは……
本当に根から腐っているんだ……。

何不自由ない人生で
自分の好きなよう気ままに生きる。

甘いマスクに魅惑的なボイスで
多くの女を手玉にとってきたんだろう……。



「最低ですね」

「知ってる」



きっとこの場で、どんなに罵ったって彼には通用しない。

自分が最低で最悪なことを
彼が一番分かっているから。



なら、そんな彼を
あたしが手玉にとってやろう。


もう二度と
そんな最低な言葉を吐けないように……。
 
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