歪んだ愛しさ故に

「おいしかったねー」
「ねー」


ようやくランチの時間が終わって、オフィスへと歩いていた。

二人が歩く後ろに並びながら、なんとなく足元から頭と彼女らの姿を見つめる。


あー、ちゃんとオシャレして偉いなー……。
スカートとか、今年の流行じゃん。
髪もちゃんと巻いてるし……女の子って感じ。


嫌味ったらしい性格だけど、きっと彼女は彼女なりに一生懸命で、自分の方法で上沢さんを振り向かそうと必死なんだ。
だから余計に、あたしみたいに地味な女が、簡単に上沢さんと一緒に帰ったりするのが気に入らなくて……。



「あ、上沢さんだ!」



彼女の声で気が付く。

ふと顔を上げると、前方から上沢さん含む、数人の男性社員が歩いていた。
 
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