歪んだ愛しさ故に
もしもあの時、
彼女を手離していなければ……
きっと俺の人生は、大きく変わっていたかもしれない。
いや……
変わっていなかったか……。
最低な男のまま、彼女を縛り付けていたか……。
皮肉にも
自分の奥底にあった気持ちに気づいたのは
彼女がすでにべつの男のものとなってからで……。
きっと彼女が
俺にとって、最初で最後の想い人。
彼女が手に入らないんだったら……
俺はもう、
誰を抱いたって同じ。
そう……。
だから最低で最悪な男のまま
あれから8年。
俺は26という年を迎えた。