歪んだ愛しさ故に
「………最低…」
「いまさら?」
ようやく解放されたときには、しっかりと結ばれていた髪もほどけていて
ソファーの下には衣服が散乱していた。
人をレイプまがいなことをしたというのに、彼は悪びれもしない顔。
「俺はこういうやつだから」
「……」
そんなの、最初から分かってた。
だけど頭の中で、さっき見せた上沢さんの顔がちらついてる。
(いつか自分が誰かを好きになった時も、絶対に素直になれなくなりますよ)
それを言われて
歪めた顔。
もしかして彼は……
「………拓…」
「…何?」
突然下の名前で呼ばれて、上沢さんは一瞬驚いた顔をした。
だけどすぐにいつもの顔に戻し、何事もなかったかのようにあたしへ振り向く。