歪んだ愛しさ故に
6章 今までの自分
「え?どういうことですか?」
次の日出社して、上司に呼ばれたあたし。
今度は何を言われるのかと思ったら……
「豊田にはもっとべつのことを任せたいから。
だから今回の話はなかったことにしてくれ」
上司から出た言葉は、任されていた新企画プロジェクトから降りてほしいということだった。
最近、毎日のように遅くまで残って作り上げてきた企画書。
資料を重ねて、生活しながらも様々な場所に貼りだされてある広告に注目し、気になってはメモをしていた。
ようやく昨日は、いい具合にまとめあがって、今日のミーティングで発表をしようと思っていたのに……。
「納得いきません。
どうしていきなり、外されないといけないんですか」
「うん?まあ……いろいろあるんだよ。
周りの人間がやりづらいと困るだろ?」
「……」
それを言われて、瞬時に悟った。
あたしが降ろされた理由。
周りが気にしていること。
それは、あたしと上沢さんの関係だ。