不良蝶女


僕は過去にあった出来事のために、女の子を信じることができなくなっていた。


小学生の時の話だって言うのに、まだ心の中にはあの時の穴が空いたまま。


だから、また女の子を好きになるなんて思ってもみなかった。


それぐらいに、あの日の蝶ちゃんは美しかったんだ。


フランス人形が純粋な涙を流したようだった。


< 114 / 119 >

この作品をシェア

pagetop