ほんまにありがとう
授業中、私は烈に手紙を書いていた。

歩未がふっと振り返った。

「あっ。」

「今日告るんか?」

「えっ…。まぁね。」

「そっか…。」

私達は思い切って歩未に聞くことにした。

「歩未さ。好きな人…いるん?」

「は?いるけど何。」

「教えて欲しいなー。なんて。」

歩未は一瞬私から目線を逸らした。

その目は私の知っている特別な歩未だった。

辛い時、悲しい時、自分の気持ちを隠したい時。

歩未は目線を逸らす。

「お前だよ。」

歩未はただ一言言って、前を向き授業を受けた。

みんなの言っていたこと本当だったんだ。

歩未…本当に私のことが…。

じゃあ、今更の歩未…辛いんじゃ…?

好きな人の恋を応援するなんて私にはできない。

歩未は表に自分の気持ちを出さないから、分かりにくいけど私は知っている。

歩未の辛い時のサインを。
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