潤うピンクの魅惑キス

資料を拾って、5分で会社に向かわないと。

急いで手を動かしていると、ふと誰かの手が資料を手にする様子が視界の端に映って、時任は顔をあげた。

目の前には、女性がせっせと自分の落としたものを拾っている。

慌てて女性に声を掛ける。


「あ、あの」
「あ、すいません、ご迷惑でしたか」


アプリコットのショートボブの女性が、不安そうに顔をあげた。
目鼻立ちが整っていて、ぱっちり二重が特徴的だ。

しかし、それよりも印象的な、ぷっくり膨らむピンクのつやつや唇に目が行く。

ふっくらとした、シワひとつないぷるぷるの唇。艶めかしいほど潤っていて魅力的だ。
彼女は必死に手を動かしているのに、時任はぼーっとその唇に囚われたまま、資料のことも、会社のことも、会議のことすらも忘れて虜になった。
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