大好きな君 〜守と花のSTORY〜
ー…
『…ん。』
そう言って、左手を差し出す守。
…ん?
ま、まさかっ⁈
手を繋げ、的な?
私は持ってる荷物を左手に持ち替え、おずおずと右手を差し出した。
『…プッ。』
『へ…?』
『あー、なるほどね?…フハッ。俺はな、〝荷物をかせ〟ってやったんだよ。…そんなに、手繋ぎてぇのか?…ハハッ。』
………。
はぁぁぁあ⁈
うっわ、やってまったパターンじゃないか!
咄嗟に引っ込めようとしたが、守の左手によって阻止された。
『なーんで、引っ込めるんだよ?手、繋ぐんだろ?…プッ。』
『わ、笑うなぁっ!!!』
『ヒーヒー、分かぁったよ…。』
ーギュッ…
私の右手に熱が集中していくのが分かる。
ドクドク…と。
手汗、大丈夫かな?
あーっもう…。
容易に手なんか出すんじゃなかったぁ!
…でも、守と手を繋げた。
ラッキー、なのか…?
『ほら、今度こそ荷物かせ。』
『あ、ありがとっ!』
『ん。』
なんだかんだで、優しい守。
…マジで惚れちゃったなぁ。