幽霊ナイト
story1 謎の少年湊
ある高校のある屋上、ある少女の叫び声が空に響いていた。
―――
「何で0点なのさー!!」
高校に入って初めてのテスト。
そこで、名前を書き忘れていて人生初の0点。
わたしは「名前ぐらい…見逃してくれればいいのに」と、愚痴を漏らす。
「ふう」と溜め息を吐き、地面に膝を軽く抱えて座り込む。
ここ最近、この屋上という場所はわたしの憩いの場になっていた。
高校に入ったばかりであまり馴染めなくて。
話しかけてくれる人はいるんだけど、気を使わないで済むこの時間が結構好きだったりする。
「今日の空綺麗だな」
そんな呟きが空に消えていくようで、
わたしは空を見上げる。
雲一つ無い綺麗な空色。