ラブレターを貴方に
「え、あ、あの……」
私の頭は真っ白で、モゴモゴと言葉にならない言語が飛び出す。
これは、もしかして、眼鏡くんに断るように頼んだとか?
でも、そうとしか考えられない訳で……。
高橋さんの事だ、きっと断りづらくなったんだろう。
でも、どうせなら、本人の口からふって欲しかった。
「手紙、読んだ。ありがとう」
「え?ああ、はい……その事なんですけど、本人から訊きたいんで……あの、わざわざありがとうございました」
「本人とは?俺にくれたんですよね?」
「え!?」
今、なんと仰いました!?
最早、私の頭はショート寸前な訳で。
「だって、高橋さんに……」
「高橋翔太……俺の名前」
「たかはし……?」
ここまできて、ハッキリわかった。
私が頼んだラブレターは、高橋違いで、彼のもとに届いてしまったんだと。
まさか、高橋さんが二人いるなんて!!
そう思ったら、今の状況に収拾がいかなくなっていて。私は何てこの誤解を説こうかと、思考を巡らせていた。
「二宮さんの気持ち、嬉しかった。これから、宜しく」
なんて、笑顔で言われたら、何か言い出しづらくなってしまって。
「は、はい……」
と、思わず頷いてしまった。