お姫様と若頭様。【完】
「ところでゆず、知ってた?
今日転校生来るらしいよ」
「当たり前でしょ、会長だもの。
知っててトーゼン!」
そう、私はこの学校の生徒会長だ。
4月に行われた前期生徒会選挙で
他推で会長になった。
この学校のことを
誰よりも知っているのは私だ。
なんせ情報は全て
私が管理しているのだから。
この学校では本人の意思関係なく
選ばれたらやらなければいけない。
前期・後期と選挙はあるが、
ほぼ変動なし、らしい。
「國館くん言ってたよ、
ゆずは他の女みてぇにつれないって。
なかなか落ちてくれねぇ、だって」
國館 東佐良(くにたち ひさら)
副会長
顔はイケメンだけどとにかくチャラい
いつも周りに女の子がたくさんいて
付き合ったら直ぐにこっ酷く振るらしい
女の子を泣かせまくってるって噂
手をまわすのが早いらしい…。
容姿端麗・頭脳明晰・運動神経抜群
モテないわけない
そして自信家で
自分がモテることを自負している
「あの人今ゆず狙いよね」
「そんなことあるわけないじゃん、
こんなブス!
あの人の周りはいつも綺麗な人か
可愛い人しかいないのよ?
私なんか場違い!
ってかあの人の隣なんか望んでない」
…はぁ〜。
あの人が私にかまってくるのは
ただからかわれてるだけなのよ。
「はぁ〜、無自覚・鈍感・小悪魔!」
「はぁっ?!小悪魔?!?!」
無自覚や鈍感はよく言われるけど
小悪魔って…。
「っていうかそれは置いといて、
アラレちゃん声大きいよ!
周りに聞こえちゃう」
「もういいんじゃない?本性見せても。
誰も離れないって」