お姫様と若頭様。【完】
「敵ってのは互角にやり合うことだけが
本来の役割じゃない。
お互いに刺激を与えて
高め合ってこそ意味を成す。
実際彩狼に勝とうと俺ら全員が
より強さを求めてる。
それだけで俺らが彩狼側につく
理由になんだろ」
俺の疑問に答える様に
國館に言い切ったこいつ。
強いその眼差しに、
だれもが釘付けになる。
「言っておくが、お前らを逃がす気は
更々ねぇぞ。
お前らが潰れるその瞬間まで、
彩狼が潰れようとも追う」
そうやって冗談でも潰れるとか…。
なかなか手厳しいこいつだが、
俺らはそう簡単にやられねぇ。
俺らだって最後まで追う気でいんだよ。
仲間を傷つけた借りはしっかり返して
…いや、絶対倍にして返す。
彩狼総長の名と威厳にかけて。