お姫様と若頭様。【完】
こんな辛気臭い顔で会われても
下っ端の奴も嫌だよなぁと、
頬を挟むように叩いて気合いを入れた。
こんな感傷に浸ってる場合じゃねぇな。
過去はもう変えられねぇし。
俺ができるのはただ、皆がこれ以上
傷つかないように強くなることだけだ。
それに、俺よりもあいつの方が…
ユズの方が傷ついてんだ。
俺なんかまだまだマシな方だな。
あいつを支えてやんなきゃな!!
俺は軽く喝を入れて、
病室の扉に手をかけた。