お姫様と若頭様。【完】
ホテルを出ると丁度かかって来た電話。
相手は功明。
最近俺にしつこくソウのことを
聞いてきてた。
まぁいつまでも誤魔化せるとは
思ってねぇけどな。
「何?」
俺の第一声。
女の相手した後はいつも機嫌が悪い。
今日はまだ良い方だ。
相手の女が突っかかって来なかったし。
『はぁ…なに、また女?』
そう呆れたように言うこいつも、
何かあったと察してか深入りしない。
「別に…。
要件は?」
『今病院に来てる』
「ハッ?!!?!」
突然の言葉にテンパる俺。
何でばれた?
…って、ただ下っ端の見舞いか。
「誰怪我した?」
『……』
「…功明?」
なかなか話そうとしないこいつ。
何かあったのか…?
『怪我してんのはユズだろ?』