お姫様と若頭様。【完】
2人にこれまでのことを全て話す。
彩狼と共に戦ったあの日から、
今日までのこと。
その間誰も口を開かずに
じっと俺の話を聞いていた。
皆とても悔しそうな表情で。
「…というわけだ。
今まで黙ってたのは
すまなかったと思ってる。
ユズはあれ以来、
一度も目を覚ましてない。
彩狼の奴も毎日ここに来てる。
…俺の力不足だったんだ。
もっとしっかりしてたら
こんなことにはならなかった。
…ユズをあの場にいさせた俺の判断が
間違ってた。
ユズは絶対、
誰かを庇うって知ってたのに…。
まさか彩狼の奴を庇うなんて……」
どんなに後悔しても
ユズは目覚めてくれなくて、
もしかしたらこのまま一生、目を
覚まさねぇんじゃないかって思った。