お姫様と若頭様。【完】
『おい、イチ、勝手に取んじゃねぇよ』
『うっさいわねぇ…。
ゆーちゃんは私の親友なんだから、
私が1番心配してんの〜!!』
…痴話喧嘩は他所でやれ。
『一応チームの奴らにも聞いてみるね。
GPSとかゆーちゃん付いてない?』
帝知が折れたのか、話を続けるイチ。
結局帝知は惚れた女に甘い。
「付いてねぇ…あんま縛りたくねぇし。
…ただ楪が自分の意思で着いて行くって
ことは多分ないはずなんだ……」
『そっか…そうだよね。
こっちでも全力で探すから
見つかり次第連絡するし頂戴』
「悪りぃな」
俺がそう謝ると元気な声で
「だって親友だもん」
そう言って微笑んだような気がした。
良い友達を…いや、親友をもったな楪。