お姫様と若頭様。【完】
「じゃああなたたちの席は…
そうね、峯ヶ濱様のお隣とその前。
くれぐれも
あの方の邪魔をしてはダメよ」
"峯ヶ濱様""あの方"
まるで神の様に崇められているその女。
教師でさえもそれは同じらしく、
様付けなんて大層な御身分だな。
そして自分の席へ行き横を見ると
その女は寝ていて…。
寝ていたって、
顔を伏せていたって分かる。
この女…"綺麗"だ……。
独特の雰囲気を醸し出している彼女。
それは"絶対的オーラ"のような、
圧力のあるオーラで…。
なんとなくだけど、
只者で無いのが分かる。
細すぎるその手足も、
傷んでないその綺麗な髪も、
異常な程の強いオーラも、
その全てが彼女の虜にさせる。
みんな彼女の容姿に惹きつけられる。
顔が見えなくたって、
周りの反応や雰囲気で分かる。
『あぁ、
こいつは誰より"極上の女"だ』って。