お姫様と若頭様。【完】

【嵐side】

いつも敬語の楓が
一瞬でも敬語を解いた。


つまりそれだけその子に
興味があるってこと。


実際俺だって今凄く会ってみたい。




「教師が様付けする程とは…。

寄付金が莫大だとか…ですかね?」


「楓、この学校の情報調べろ」


その泪の一言で楓が動き出す。


機械を操作していたかと思うと、


「ダメです。

かなり厳重にロックがかけられてる。


普通の学校なら絶対ありえない。


何か隠しているでしょう」


あの憐覇が破れないなんて…。




「公開されているものだと…

あっ、彼女は生徒会長らしいですね」


生徒会…生徒会…。



「あっ、なぁなぁ、
この学校生徒会選挙の後期、いつだ?」


そうだ、選挙だ!

俺の言葉にまた手を動かす楓。


「生徒会選挙…?

あっ、あぁ来週ですね」


「なぁ、さっきクラスのやつに
聞いたんだけどよ、

この学校生徒会選挙は他推で
人気投票っぽいらしいんだ」


楓は俺の思惑を理解したのか
皆に説明してくれた。




「つまり嵐はその選挙で当選して
生徒会として彼女に近づく。


…そういうことですね?」


その言葉にコクリと頷く。



なんて言ったってこいつらは美形だ。


俺はまぁ…だけど、
特に泪は女に凄い好かれる。


本人はウザがってるがな。
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