お姫様と若頭様。【完】
Take18
【黒蓮(碧志)side】
いつもより少し
センチメンタルだった彼女。
皆をとても愛おしそうに見つめていた。
そして何か焦っていた。
『私は…皆の側にいたいよ。
出来るだけ、一緒にいたい』
普段の彼女からは想像出来ないほど
弱々しい彼女。
皆もそれに気づいてか、
いつも以上に明るく接していた。
ヨルの手を握った彼女は、
今にも泣き出しそうな辛そうな悲しそうな苦しそうな…そしてやっぱり、
とても愛おしそうな顔をしていた。
俺実は楪が好きだったんだ。