お姫様と若頭様。【完】
「ありがとう…こんなに守ってくれて」
「そ、そんな…頭を上げてください姫」
「演技だからといって姫に酷いことした
わけですし…」
「手荒な真似したこと…
マジですいませんでした!」
私が皆に謝罪と感謝を言うと
なぜか皆私に謝った。
あぁ、本当はこんなにも優しい人たち。
「零波は冷たくて怖かったし…
刃牙は襲おうとするし怒鳴るし…
達充には薬かがされて攫われるし…
本当、皆演技上手過ぎだよ」
こうやって笑い合って、
お礼を言い合って、
謝り合って…。
そんな日が来ることなんて
全く想像していなかった。
紅蓮はたくさんの人に大切に思われてて
さすが皆だと感心してしまった。
でもやはり幸せは、
そう長くは続かなかった。