お姫様と若頭様。【完】
すぐに駆け寄り傷の手当て。
それ以外にも簡単に診断したところ
…肋が折れてるかも。
足の脛の部分にもヒビが入ってるのか、
大きく腫れ、色が変色。
「行かな…いと……」
「ダメだよ、達充!!
その体じゃ無理だよ!」
「敵が…まだまだいんだよ。
……今は銀も戦ってる。
総長…出させるなんて……情けねぇ」
途切れ途切れで、苦しそうに話す達充。
総長の銀が戦っていると言うことが
どれだけの状況かなんてわからない。
でも達充の焦りようから、
良い状況じゃないってことがわかる。
でも、こんな怪我人を放っておくこと
なんて出来ない。
「達充ダメ!その体で行ったら『うぉー!!』…!?!」
突然響いた叫び声。
ーガチャッ
そして再び勢いよく開けられた扉。
「達充さん!
紅蓮がいらっしゃいました!!」