お姫様と若頭様。【完】
扉を開け外に出た。
そこには弱った敵であろう人と
紅蓮、黒蓮の皆。
「皆大丈夫?
怪我してない?」
「「「楪!?!」」」
驚く紅蓮の皆。
久しぶりの再会。
そしてなぜか焦った様子の皆。
「バカ、ヒメ!まだ来んな!!」
そう銀が叫んだ瞬間向けられた…銃口。
それを向けるのは敵。
その先に私。
「へぇ〜!
姫をどこにやったのかと思ったら
こんなところに!
…動くんじゃねぇぞ。
動いた瞬間姫の頭、吹き飛ぶかんな」
「俺がここを出ていいと言うまで
ここから出るな」
なぜもっとちゃんと
彼の言葉を聞かなかったのか。
"俺らを信じろ"
なぜ最後まで信じ切れなかったのか。
自業自得…この言葉がこんなにも重く
のしかかるなんて。
「別に俺らの目的は
黒蓮を潰すことだけじゃねぇ。
紅蓮、お前らを潰すことでもあんだよ。
…死ね」
ーパァンッ!ー
これから襲うであろう痛みに
目を瞑る余裕さえなかった。
ただ、あぁもう死んじゃうのかなって、
頭ではなぜか冷静だった。
でも、なぜか襲って来るはずの痛みは
いくら待っても来なくて。
想像よりも残酷な運命を告げていた。