お姫様と若頭様。【完】
Take20
【泪side】
俺を助けた紅蓮総長・舞闇
あの後紅蓮が手を打ったのか、
一切の情報も得ることが出来なかった。
元々情報が少ない上に
セキュリティの硬い紅蓮。
その総長ともなれば、
あの悪蛇ほどでないと破れない。
つまり俺たちはあいつがどうなったのか
全くわかっていない。
相当な傷を負っているのは確か。
…下手したら死んでるかも。
なんで休戦協定とか結んでる相手のこと
なんも知らねぇんだよ…。
あの日自分の無力さを知った。
紅蓮幹部のお陰で俺らは全国№1
…俺らの力じゃ……ない。
あの時一緒にいた聖も
相当動揺していた。
聖はいつも戦いの時一緒にいないから
生で喧嘩を見るのは初めてだった。
誰かが傷ついてる姿を見るのも、
きっと初めてだったんだ…。
俺は組の関係者だから銃で…なんてのは
時々見てきた。
でも彩狼にいる奴らほぼ全員が
あんな場面を見たのは初めてだろう。
俺を助けて撃たれた…。
俺がいなかったら
撃たれなかったはずだ。
反射神経が良くて相手の動きを察知する
能力に長けている紅蓮総長。
俺を守るために
あの間に飛び込んで来たんだ。