お姫様と若頭様。【完】
「なぁ泪…悪かった」
「…んで謝んだよ。
そうやって簡単に謝んな」
「簡単なんかじゃねぇよ。
俺らがお前に任せっきりだったから
あんなことが起きたんだ。
お前の所為じゃねぇ」
「……俺があの時避けられるほどの
力があれば…
あいつは俺を助けなかったんだろうな。
仲間を守れて信頼されて…。
それでこそ総長なのにな」
「お前は立派にやってるよ!!
きっとお前じゃなきゃ無理だ」
気休めにしかならねぇんだよそんなの。
今回あんな相手に手こずって、
仲間を何人傷つけたと思ってる?
聖はどれほど
心に傷を負ったと思ってる!?!
もし今回のことがなくても、
きっといつかこんなことが起こってた。
総長ってのは、
それほど力がなきゃダメなんだ!!
一目でいい…一目でいいから、
あいつの安全を確認したいんだ。
あの綺麗に戦う姿を、
絶対に失いたくないんだ。
こんなにも心が押し潰されそうで、
あいつのことが気になって…。
あのあいつの不安そうな瞳を、
あれから1度だって忘れたことはない。
闇を多く纏ってあいつは、
今どこで、何をしてるんだ…?