お姫様と若頭様。【完】
【楪side】
ずっと夢を見ていた気もするし、
ずっと暗闇にいた気もする。
どこにいたかなんて到底わからなくて、
こんな暗闇ではずっと足踏みをしていたような感覚に陥る。
前にも後ろにも進めない、
私を多い尽くすほどの深い深い黒。
私の足を掴んで離さないのは誰ですか?
そんなこともう、分かり切ってるのに。
私が殺したって、
恨んでいるのでしょう??
お前も堕ちろ、
そう言っているのでしょう?
…いいよ、別に。
これがあなたへの
"罪滅ぼし"になるのなら。
きっとあなたは
そんなのでは許してくれないね。
それほど酷いことを、
私はあなたにしたのだから。
私がこの世界に来たことが
たとえ偶然だったとしても、
私はいつかきっと、
この深い深い闇に堕ちていた。
あなたにまた会うのは必然だった。
ごめんなさい。
こんな言葉じゃ足りないけど、
どうかあなたまで堕ちないで。
堕ちるのはきっと、
私だけでいいはずだから…。