お姫様と若頭様。【完】
本当は私のことを心配してくれるのは、
ヨル1人だと思っていたの。
紅蓮の皆は私なんかいない方がいいって
本当は思ってるんじゃないか?
そう思っていたの。
ヨルを…紅蓮総長を殺したのは私。
私は手を下さなかったとはいえ、
間接的にヨルを傷つけたことに
関わっているから。
恨んでもいいと思っていたけど、
やっぱり毎夜毎夜夢に出て来ると
気も滅入ってしまうもので…。
どうしようもなく、
心が揺れていた。
こんな私の言うことを聞いて
私を総長にしてくれた紅蓮の皆。
私が死んだって
何も思ってくれないかな??
…別に、苦しむよりはいっか。
特にソウは誰かが傷つくのを見るのは
2回目…いや、4回目だね。
私が最後にして欲しいな。
ソウはあぁ見えて意外と弱くて繊細で、
誰より優しい人だから。
誰より、人の痛みをわかる人だから。
私の為に泣いたりはしないだろうけど、
記憶に残ってしまうだろうから。
人が傷つくのを見るのは、
本当に辛いね…。