お姫様と若頭様。【完】
Take23
「はっ…?
……楪、お前…」
「…な…きゃ……」
「えっ…?」
「いかなきゃ、ヨルに謝りに」
そう言ってベッドに手を着き
立ち上がると、
腕に繋がっている管を全て外した。
足を地面に着け、
震える足で立つ。
半年もの間眠っていた為か
全く思うように動かない。
それでも体を動かすことが出来るのは
毎日誰かが体を動かしてくれていたから
だろう。
それでもヨロヨロとしていて
真っ直ぐ立つことは出来ない。
仕方なく壁に手をついて
つたっていく。
「あっ、おい、楪!!」
「峯ヶ濱ッ!」
凱瑠と陣宮の呼ぶ声がする。
でも振り返らずに先を急ぐ。
扉のところで開けようとして
手をかけようとすると、
誰かが来たのか扉が開いた。
そこで一歩踏み出したところで
私の意識は再び闇の中へと投じられた。